心臓内科では心臓と血管に関する病気を広く扱っています。主な対象疾患は、不整脈、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、うっ血性心不全、先天性心疾患、心内膜炎、大動脈瘤、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症などです。




●患者さま本位のやさしい診療をめざします:現代の医療の進歩はめまぐるしく、最新の検査方法や治療手技が次々に出現します。ややもすれば最新の医療=最良の医療であるかの風潮がありますが、実際には必ずしも最新=最良ではありません。当科ではいたずらに実験的、試験的な検査、治療に飛びつくことなく、本当に患者さまのためになるかどうかを十分に見極めた上で高度な医療を提供するように努めています。具体的には、64列マルチスライスCTによる冠動脈造影、手首や肘から行うカテーテル治療、カテーテルによる不整脈治療、植え込み型徐細動器、心臓リハビリテーションなどいずれも患者さまにやさしい検査、治療を積極的に取り入れています。


●患者さまに納得して頂ける診療をめざします
:“いくら高度で最新の医療でも、患者さまに納得していただけない医療は意味がない”と私たちは考えています。検査や治療の前後には詳しい説明を行って、十分に納得していただけるように努めています。


インフォームドコンセントを重視します
心臓カテーテル検査やカテーテル治療、ペースメーカー治療を受けていただく時には事前に、病気の状態、検査や治療の必要性、考えられる治療選択肢を文書にて説明します。その上で患者さまとご家族の希望に応じた検査や治療を選択します。検査や治療後には、写真などで結果をわかりやすく説明し、今後の治療や生活上の注意点について相談させていただきます。

セカンドオピニオン大歓迎です
:当院以外で“検査や手術が必要と云われたが、よくわからない、納得できない”とお悩みの方へ。セカンドオピニオンのための受診を歓迎します。また当院にかかっておられる方が他の病院への受診を希望される場合も、資料や紹介状をお渡しします。遠慮なくお申し出下さい。




当院では2007年6月より最新の64列マルチスライスCTを導入しました。これによりカテーテル検査をせずに狭心症の早期発見が可能となりました。
従来、狭心症や心筋梗塞の診断にはカテーテル検査が欠かせませんでした。しかし入院が必要で身体への負担が大きなカテーテル検査は受けたくないという声が多くありました。2003年に16列マルチスライスCT機器が登場し、心臓CT検査による狭心症の早期発見が可能となりました。当院でも2003年より心臓CT検査を1000件以上行ってきました。
16列マルチスライスCTにも弱点がありました。撮影中の息止めが不十分だったり、不整脈が出たりすると画質が劣化します。16列マルチスライスCTでは10%前後の血管は詳細な診断が困難で、10-20%に偽陽性が認められました。
これらの弱点を克服するために、64列マルチスライスCTが開発されました。息止め時間は10秒以下となり、不整脈が出ても画質が劣化しません。このため診断の精度が飛躍的に上がり、ほぼ100%診断可能となりました。
【図1】は同じ患者さまを16列と64列で撮影した心臓CTの画像です。64列は16列に比べて血管の細部まで克明に描出されており画質の向上が一見してわかります。このように64列マルチスライスCTにより、カテーテル検査なしで狭心症の診断が可能となっています。当院外来でも心臓CTを受けた方の70%はカテーテル検査が不要と判定され、大変好評を得ています。人間ドックのオプションとして冠動脈CTを準備中です。

【図2】胸が苦しいと訴えて外来受診された70歳台の女性の冠動脈CTの写真です。心室性期外収縮という不整脈が多発していたため、従来の16列CTでは冠動脈CTの撮影が不可能でした。しかし64列CTでは冠動脈の細部まで明瞭に描出されています。冠動脈に細い場所はなく、カテーテル検査は必要なしと判定されました。

【図3】同じく胸が苦しいと訴え心電図に異常のあった60歳台の男性の冠動脈CTの写真です。冠動脈CTにて冠動脈の細くなっている場所が発見され、バイパス手術を受けて回復しました。





当科では1982年に心臓カテーテル検査、1984年にPCI(冠動脈のカテーテル治療)を開始し、現在までに累計14106例の心臓カテーテル検査、5003例(2008年5月現在)の冠動脈カテーテル治療を行っています。冠動脈以外の血管に対するカテーテル治療も積極的に行っています。また2001年より難治性不整脈に対するカテーテル焼灼治療を開始しました。





狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療は、1984年以来当科の最も得意とする分野の1つです。2007年の1年間に346例のカテーテル治療を行い、うち73例(21%)は緊急治療でした。一方で動脈硬化が高度に進行し、冠動脈の壁が石灰化でガチガチになると通常のカテーテル治療は歯が立ちません。このような血管に対して大きな威力を発揮するのがロータブレータという器具を用いた治療です。ロータブレータとは先端にダイヤモンドのかけらを埋め込んだカテーテルを毎分約20万回転という高速で回転させながら血管の中を進めて、硬い血管の壁を削る器具です。当科では2007年は23例に対してロータブレータ治療を行いました。





カテーテル検査や冠動脈カテーテル治療が終了しても、その後の安静時間(仰向けに寝たままで、起き上がったりできない時間)が長いと、大変苦痛に感じます。当院看護科の研究では、ベッド上安静が4時間を越えるとほとんどの患者さまが苦痛を感じられました。そこで当科ではベッド上安静が不要な腕(肘または手首)からの検査や治療を積極的に取り入れています。腕からのカテーテル検査や治療では終了直後より歩行が可能で、患者さまは異口同音に“手からの治療は楽だった。手からの治療ならまた受けても良い。”と云われます。2007年の1年間にカテーテル治療全体の84%を腕から行ない、患者さまにやさしい治療をめざしています。





不整脈で当科を受診される方は極めて多く、激増するニーズにこたえて2001年より不整脈専門外来を開設しました。そして薬物治療、ペースメーカーに次ぐ第三の不整脈治療法であるカテーテル焼灼治療を2001年より開始しました。
カテーテル焼灼治療の対象は、WPW症候群、上室性頻拍(房室結節回帰性)、通常型心房粗動、心室頻拍などの不整脈です。脚の付け根や首を局所麻酔してカテーテルを心臓内部まで挿入、不整脈の原因となる部位を特定し高周波で焼き切ります。高周波通電は1回に付き30秒以内で、痛みもほとんどありません。1回から数回の通電で不整脈は完全に消失し、長年悩まされてきた症状から開放されます。
このようなカテーテル焼灼治療はメスを使わずに局所麻酔で施行可能で入院期間も平均4日間と短く合併症もほとんどありません(当科ではゼロ)。2007年には累計20件のカテーテル焼灼治療を行ない成功率は90%以上と良好です。
最近注目されている重症心不全に対する両心室ペースメーカー(CRT)や重症不整脈に対する植え込み型除細動器(ICD)の治療も行っています。


【心臓リハビリテーションの紹介】

当院は病院建物の全面新築に伴い心臓リハビリテーション室を新たに設け、2007年4月に心大血管リハビリテーション施設基準(I)の承認を京都府より得ました。この施設基準は要件が厳しく京都府下でも当院以外には数施設しか基準を取得していません。現在行っている心臓リハビリテーションについてご紹介します。

(心臓リハビリテーション室)

心臓リハビリテーションの歴史は約30年前に遡ります。その頃は安静臥床が心疾患治療の基本で、急性心筋梗塞入院後は1ヶ月間絶対安静を強いられていました。その後長期安静臥床の弊害が明らかになり、出来るだけ早い離床が試みられるようになりました。この頃は「運動療法」による短期的効果、すなわち「運動療法」により運動能力低下を防ぐ事が期待されていました。やがて単なる「運動療法」のみならず、患者教育を含む「包括的心臓リハビリテーション」の重要性が認識され始めました。心臓リハビリテーションによる死亡率の低下が様々な研究で立証されたためです。現在の心臓リハビリテーションとは:運動療法を中心とした総合的な患者教育により死亡率や生活の質を改善する治療と位置づけられています。
心臓リハビリテーションにはどのような効果があるのでしょうか?まず運動能力が改善します。身体を動かすのが楽になり、胸の痛みや息切れといった症状がなくなります。また動脈硬化の危険因子を是正する効果があります。例えば血糖値を下げる、悪玉コレステロールや中性脂肪の値を下げる、血圧を下げる、肥満を改善するなどの効果もあります。メタボリックシンドロームを改善する効果があります。さらにリハビリテーションを通じて、病気への不安感や抑うつ気分を解消出来ます。以上の総合作用として生活の質が改善します。
心臓リハビリテーションは死亡率を低下させるのでしょうか?死亡率の改善効果は数多くの研究で立証済みです。2004年に発表された8940人を対象とした研究では、総死亡率が20%減少し、心臓が原因の死亡率も26%減少しています。また心臓の機能がかなり低下した心不全患者801人を対象とした研究でも、心臓リハビリテーションにより死亡率が8%減少しています。このように心臓リハビリテーションには元気に長生きできる効果があるのです。
現在心臓リハビリテーションは開院日に毎日行っております。2007年には累計6725件の心臓リハビリテーションを外来及び入院患者さまに行いました。心臓リハビリテーションの効果がはっきりわかるため、実際に受けられた患者さまには非常に好評です。心臓リハビリテーションのために毎週来院されている患者さまも増えてきています。外来での心臓リハビリテーションの予約枠にはまだ若干余裕がありますので、興味のある方はお問い合わせください。





心臓や血管の病気は一刻を争う緊急治療が必要です。そのため当院では1985年より20年以上にわたって、夜間休日を問わず24時間心臓専任の当直医が院内に待機し、いつでも緊急カテーテル検査、治療が行える体制を取っています。また集中治療室、循環器病棟には空きベッドを準備し緊急入院を受け入れています。常日頃より心臓血管外科と一体となった診療を行なっていますので、手術対象の方でも心臓専任当直医に相談して頂いて構いません。24時間いつでもお気軽に連絡下さい。

心臓内科部長 溝口 哲




吉田 章 よしだ あきら

役職:名誉院長
専門:狭心症、心筋梗塞等虚血性心疾患の診断と治療、冠動脈インターベンション、心臓核医学。
資格:日本内科学会施設指導医
   :日本循環器学会専門医
   :日本体育協会公認スポーツドクター
   :日本医師会認定産業医
   :日本内科学会認定医
   :人間ドック認定指定医
自己紹介:S49年京都大学卒業。医学博士。趣味:音楽鑑賞、水泳、旅行。

 

三木 真司 みき しんじ

役職:院長
専門:狭心症、心筋梗塞の急性期、慢性期の診断と治療、冠動脈インターベンション心臓核医学検査の臨床応用、心エコー検査による心機能評価京都大学医学部での学位論文は「拡張期心機能に及ぼす収縮機能の影響」。
資格:日本内科学会認定医
   :日本循環器学会専門医
   :日本心血管インターペンション学会評議員
   :日本カテーテル治療学会評議員指導医
自己紹介:S59年京都大学卒業。医学博士。趣味は登山、スキー、キャンプ、ジョギングなどアウトドア派です。

 

溝口 哲 みぞぐち てつ

役職:部長
専門:狭心症、心筋梗塞の急性期、慢性期の診断と治療、冠動脈インターベンション、重症心不全の治療、四肢動脈閉塞症の血管内治療。
自己紹介:S63年京都大学卒業。検査や緊急治療が好き。

 

河野 裕 こうの ゆたか

役職:副部長
専門:不整脈の診断と治療、電気生理学的検査、不整脈のカテーテル治療。
資格:日本内科学会認定医
   :日本循環器学会専門医
自己紹介:H5年京都大学卒業。京都大学循環器内科で不整脈の研究に携わり、学位取得後赴任。


横松 孝史 よこまつ たかふみ

役職:副部長
専門:狭心症、心筋梗塞の急性期、慢性期の診断と治療、冠動脈インターベンション。閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療、ペースメーカー植込み術。
資格:日本内科学会認定医
   :日本循環器学会専門医
自己紹介:H9年京都大学卒業。日本一の症例数を誇る小倉記念病院で2年間研さんを積みH16年4月より当院に返り咲き、最近生まれた愛息には弱い無類の親バカ。熱狂的なタイガースファン。

 

加藤 雅史 かとう まさし

役職:医長
専門:狭心症、心筋梗塞の急性期、慢性期の診断と治療、冠動脈インターベンション。閉塞性動脈硬化症のカテーテル治療、ペースメーカー植込み術。
資格:日本内科学会認定医
   :日本循環器学会専門医
自己紹介:H12年京都大学卒業。心筋虚血再灌流障害の研究に携わり学位取得後、小倉記念病院勤務、H23年より当院赴任。趣味は麻雀、野球、ゴルフ。

 

谷口 智彦 たにぐち ともひこ


役職:医師
専門:循環器疾患一般、心臓内科




 

櫛山 晃央 くしやま あきひろ


役職:医師
専門:
循環器疾患一般、心臓内科




 

夜久 英憲 やく ひでのり


役職:医師
専門:
循環器疾患一般、心臓内科
自己紹介:”全ては患者さまのために”をモットーに




 


Copyright 2007 MITSUBISHI KYOTO HOSPITAL All rights reserved.

一般内科