|
病院に行って、
「私ってこのまま良くならないままじゃないかしら」
「ご飯がおいしく食べられない」
「はやく退院したいのに…」
「私が望んでいる治療とはちょっと違う…」
こういう思いをされていませんか。
NSTが患者様の立場で検討いたします。

【1】 NSTとは
NSTはnutrition support teamの略で、直訳すれば栄養サポートチームですが、実際には全職種横断型の病院内治療チームとして活動しています。患者様の栄養状態あるいは全身状態の管理、分析、判定を行ない、最もふさわしい栄養管理法、全身管理法を指導・提言することで、患者様のより良い治療、早期回復・退院・社会復帰を図ることを目的としています。
NSTは1970年頃にアメリカで誕生し、その後急速に波及しました。当初はTPN(中心静脈栄養)の管理組織として設立され、TPNによる長期生存症例に対する栄養管理、カテーテル感染症など合併症の予防、TPN普及による医療費高騰の抑制が主たる活動内容でした。
日本では、縦割り医療(各診療科、各部門の間での壁)による医療効率の悪化から経営が困難となる病院が増え、また主治医「ひとりよがり」の治療による医療ミスの反省によりチーム医療の重要性が高まり、入院患者様の栄養管理に関してはTPNにかわって経腸栄養の有用性・重要性が認識されていくなか、1990年代後半から欧米に追従する形でNSTが全国的に普及しました。現在ではNSTは栄養管理、感染予防だけでなく医療効率の改善やチーム医療推進の中心的役割として、活動内容が少しずつより広範囲に、また重要度も更に増してきています。
また最近では当院のような手術症例の多い急性期病院あるいはICU・CCUにおける活動の必要性・重要性が注目されています。

【2】 当院のNST活動内容
NSTの活動内容・目的・目標としては次の項目のとおりです。
1.栄養不良患者様の早期発見・治療
2.カテーテル感染や褥瘡などの合併症の減少、およびそれに伴う死亡率の低下
3.周術期(手術前後)における総合的な栄養管理
4.入院期間の短縮
5.不必要な医療および医療費の削減(たとえば過剰な点滴や内服薬などの削減)
6.全科・全職種横断型のチーム医療の推進
7.職員の栄養に関する知識の啓蒙・技術の向上

【3】当院NSTの活動の実際
栄養管理部(管理栄養士)が中心となり、「主治医」「診療科」の枠を超えた医療チーム、患者さんの栄養状態の評価・改善システムとして当院NSTは2005年8月より活動を開始しました。医師(消化器外科医、消化器内科医)、臨床検査技師、薬剤師、看護師(ICUを含む各病棟、外来看護師)、管理栄養士、理学療法士(リハビリテーション技師)、事務員で構成しています。褥瘡チームや摂食・嚥下サポートチームもNSTの一部門として活動しています。2008年4月より日本静脈経腸栄養学会「NST認定施設」として認可され、今後ますます活動内容を充実していく予定です。
私たちは「医療者側」ではなく「患者様側」にたった治療を推進しています。当院で治療を受けられていても、必ずしも患者様の御希望通りの治療が進んでいるとは限りません。
なにか私たちがお手伝いできることがあれば御遠慮なくお申し付けください。あらゆる問題に対しての解決法を検討いたします。
2012年4月現在メンバー
NST看護師長 森田和美
2階病棟NST看護師(NSTコアナース) 深尾由紀
3階病棟NST看護師 河田悦子
4階病棟NST看護師 莨谷真那
廣田晃世
5階病棟NST看護師 浜本三起子
ICU階病棟NST看護師 文字香織
薬剤部 小川尚美
臨床検査 荻野和大
理学療法 佃 陽一
栄養管理部(管理栄養士) 松本恵子
天形一騎
御石絢子
杉浦由莉
医事課 森井亨介
消化器内科医 日下 茂
消化器外科医 岡田 憲幸
糖尿病内科医 中野 忠澄
日々の活動としては、
@ Meeting(毎水曜日に症例のピックアップ、検討および評価をしています)
A Round(毎水曜日にICUを含む全病棟の回診を行ない、主治医への提言や助言を行ないます)
B Consultation(栄養、治療に関して随時相談・受付をしています) を精力的に行ない、呼吸サポートチーム、感染対策委員会、緩和医療チームなど院内他チームとの連携も重視しています。
なにか私たちがお手伝いできることがあれば御遠慮なくお申し付けください。御相談に応じさせていただきます。
三菱京都病院
NST委員長・栄養管理部長・消化器外科部長 光吉 明

【4】学術活動:病院内での日々の活動以外に、学会や論文発表などの学術活動にも積極的に取り組んでいます。
第24回日本静脈栄養学会に行ってきました
2009年1月28日から3日間、鹿児島で開催された日本静脈栄養学会総会へ出席し、計8題の演題発表をおこないました。
あいにく桜島は噴火しており火山灰が舞い降りていましたが1月とは思えない暖かな気候で、鹿児島黒豚の味も絶品でした。
医学関係の学会発表としては画期的な事務部門(演者:森井亨介)からの発表も交え、今後の当院NST活動の幅はますます広がる気配です。
 |
事務部門からのJSPENでの発表は全国初と思われます(当院・森井事務員)。将来は事務長か? |
 |
JSPEN2日前に噴火した桜島。当院栄養科松本主任の噴火に合わせて桜島も噴火しました。 |
 |
美しい花にも負けない美しい看護師(右・深尾/左・河田)。 |
2008年 学術活動実績
第43回京都病院学会(2008/06/08)
「NSTが関与することにより著明な改善がみられた脳梗塞後の重度褥瘡」
天形一騎
第57回日本医学検査学会(2008/5/30〜31)
「急性期病院におけるNST活動の現状」
荻野 和大
第94回日本消化器病学会(2008/05/)
パネルディスカッション〜消化器疾患とnutrition support team(NST)
「消化器癌診療におけるnutrition support team(NST)活動の役割と今後の課題について
」
内科 消化器内科 消化器外科
日下茂 杉本英光 重本香保里 木村史子 伊藤孝司 瀬尾智 光吉明 滝本行延
水野雅博
たんじゅうさん 第7巻第2号、2008年
座談会「NSTのありかた」
三菱京都病院内科 日下茂/久留米大小児外科 田中芳明/島根大消化器内科 足立経一/
山口大総合診療科 田妻進
第24回日本静脈経腸栄養学会(2009/01/29〜30) 計8演題
@ 「NSTによる消化器外科周術期への積極的関与」
光吉 明
A「高齢者の胃癌術後における経腸栄養管理の有用性について」
日下 茂
B 「NST介入症例の血清亜鉛値について」
荻野 和大
C「NSTリンクナースの役割の検討
〜重症心身障害児の在宅栄養確立への関わりを通じて〜」
深尾由紀
D「在宅経腸栄養自己管理患者への外来NSTの取り組み」
河田 悦子
E「急性期病院NSTにおける事務活動
-医療チームの一員としての事務部の役割を考える-」
森井 亨介
F「NSTにおける摂食・嚥下サポートチームの活動形態を考える」
天形一騎
G「栄養管理に難渋した重症心身障害児の1例
−至適栄養管理と病診連携−」
松本恵子
2007年 学術活動実績
第41回 京都病院学会 2006/06/11 京都
「NSTにおける臨床検査技師の取り組み」
荻野 和大
第41回 京都病院学会 2006/06/11 京都
「摂食/嚥下サポートチームとNSTとの連携で栄養状態が改善できた症例について」
松本 恵子
第42回 京都病院学会 2007/06/10 京都
「急性期病院でのNST活動の立ち上げ〜活動の現状とアンケート結果による今後の課題〜」
天形 一騎
第62回 日本消化器外科学会 総会 2007/08/18-20 東京
ラウンドテーブルディスカッション「急性期病院でのNST活動の立ち上げ−医師は抵抗勢力か−」
光吉 明
第57回日本医学検査学会
急性期病院におけるNST活動の現状
臨床検査科 荻野 和大
第23回日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)
@NST活動による術後栄養管理の変化についての検討
栄養管理部 小林 文香
A外来化学療法患者における栄養管理の必要性について
消化器内科 日下 茂
B急性期病院でのNST活動の立ち上げ
ーいかに医療チームとしてのモチベーションを維持するかー
消化器外科 光吉 明
C当院における看護師のNSTに対する認知度
−現状と今後の課題−
看護部 河田 悦子
DNST薬剤師における輸液処方の提案と処方変更の現状
薬剤部 吉村 香名子

|