令和2年度 三菱京都 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 204 11 49 130 235 325 569 1343 861 153
2020年度に退院した5254人のうち、集計対象になった3880人の年齢分布(10歳刻み)です。 当院では、幅広い年齢層の患者さんに入院いただいております。 これは、「高度で、あたたかい医療を提供する病院」を理念として、活動してきた結果であると考えます。 年齢層の内訳としては、60歳以上の入院患者さんの割合が、75.4%(前年比:+2.6)となっており、高齢化社会を反映した結果となっています。 また、当院は周産期医療にも力を入れており、新生児を専門に担当する「新生児科」があります。そのため、0~9歳の年齢層が5.3%を占めているのも特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科 呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 32 2.03 3.39 0.00 74.16 気管支鏡検査
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 9.11 10.83 0.00 72.37 胸腔鏡下肺切除術
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 20 2.00 2.04 0.00 55.65 PSG
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 14 26.14 18.61 7.14 80.64 市中肺炎
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 13.30 - -
肺の悪性腫瘍に含まれる疾患は主に原発性肺癌と転移性肺癌(他の部位の癌が肺に転移したもの)です。 確定診断には気管支鏡検査による確定診断を行います。負担軽減のため鎮静剤を用いて1泊2日の入院で行っています。 肺の悪性腫瘍に対する手術はほとんど胸腔鏡を用いた肺切除術を行いますので在院日数が全国平均よりやや短くなっていると考えます。 睡眠時無呼吸の診断は外来で簡易検査を行い、疑いがある場合1泊2日の入院で詳しい検査を行います。 間質性肺炎は特発性や膠原病に伴うもの、薬剤性、放射線性などが含まれます。
小児科 新生児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 111 6.07 6.13 1.80 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 31 14.94 11.19 3.23 0.00 経腟低出生体重児
帝王切開低出生体重児
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 28.12 - - 経腟低出生体重児
帝王切開低出生体重児
140010x197x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術あり 手術・処置等2 なし - - 8.37 - -
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり - - 10.91 - -
コロナの影響で分娩数が減ったため、入院数は前年より減少しました。 本院小児科新生児科は、新生児特定集中治療室を設置しており、妊娠期間短縮(早産)、低出産体重(低出生体重)を中心とした新生児入院が多くなっています。 出生直後から必要に応じて24時間小児科医が対応できる体制にあります。本院では新生児入院受け入れは在胎週数28週以上かつ出生時体重1000g以上とさせていただいており、一部の外科的対応や特殊な治療を必要とするお子様以外の新生児について、治療させていただいています。
一般小児科領域では、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い変化はありますが、肺炎、急性細気管支炎等の下気道感染症や急性胃腸炎を中心に入院加療させて頂いています。 他の疾患も含め、抗菌薬の選択など、適切な治療方針の選択をこころがけ、できるだけ早期の退院をめざしています。 かかりつけ医をお持ちの患者様はかかりつけ医とよく連携させていただき、退院後のフォローにつなげています。また常勤の小児循環器医がおり、心臓検査がしやすい環境をいかして、川崎病の診療も積極的に行っています。 2020年に入ってからは、新型コロナ感染症の発生流行の影響で、入院の受け入れがやや難しくなっておりますが、何とか元の体制を維持できるよう、努力したいと思います。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 15 31.00 23.36 0.00 75.47 人工膝関節置換術(TKA)
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 15 22.33 20.40 0.00 72.53 腰椎後方椎体固定(TLIF)
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア 椎間板摘出術 後方摘出術 - - 14.28 - - 腰椎ヘルニア・椎弓形成術
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 25.09 - - 人工骨頭挿入術
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 18.81 - -
2020年度はコロナ禍の影響で手術を自粛していた時期もあり、当科での総手術件数は昨年度より大幅減少の174件でした。 診断群分類別で最も多いのは、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、脊髄症に対して固定術などを行う脊椎手術です。次に多いのは膝や股の変形性関節症に対して行う人工関節手術です。 さらに、骨粗鬆症性の脊椎圧迫骨折や大腿骨近位部骨折に対する手術、保存治療も行っています。早期手術、早期離床、早期退院を目標としていますが、個々の患者様の病状に応じた加療を行っています。 整形外科全体の手術内訳は、脊椎手術60件、人工関節手術30件、関節鏡下手術が15件、骨折手術が26件、その他手術が43件でした。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 21 19.76 27.51 0.00 70.67 開心術(CABG・弁膜症)
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 16 18.19 19.98 0.00 72.00 人工血管置換術
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤 その他の手術あり 手術・処置等2 1あり 16 31.50 29.23 12.50 72.00 人工血管置換術
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 13 20.15 22.56 0.00 66.92
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等2 1あり - - 28.61 - - AAA 患者パス (2)
2020年は心臓・胸部大動脈手術件数110例でした。COVID-19の影響があり、待機できる患者さんには待機していただいたため、2019年より減少しました。 最近増加している大動脈弁狭窄症に対しては、超高齢であったり、肺疾患などを合併されておられる方には、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)を選択し、また、高齢でも全身状態の良好な方や若年の方には、開胸での大動脈弁置換術を選択しており、患者さんの状態に応じて最も適したと考えられる手術を行っております。経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)は21例でした。 大動脈瘤治療に関しては、大動脈瘤の部位や形態、患者さんの年齢や身体状況を考慮にいれ、患者さんと相談しながら、従来からの開胸もしくは開腹による人工血管置換手術か、低侵襲のステントグラフト内挿術かを決定しております。腹部大動脈瘤に対しては、長期的にみるとステントグラフト内挿術後に大動脈瘤が拡大することがあり、若年の方には開腹手術をお勧めしており、開腹人工血管置換術は17例、腹部大動脈ステントグラフト内挿術は9例でした。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 36 6.17 6.16 0.00 41.22 腹腔鏡下卵巣手術
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 30 7.07 6.10 0.00 43.70 腹腔鏡下子宮筋腫核出手術
腹腔鏡下子宮摘出手術
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 19 4.00 3.11 0.00 36.05 悪性腫瘍手術
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 15 9.33 10.00 0.00 57.33 腹腔鏡下卵巣手術
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 14 9.36 11.96 0.00 65.43 悪性腫瘍手術
三菱京都病院は、NICUを有する京都府地域周産期母子医療センターです。NICU6床を有し、母体合併症、妊娠28週以上の早産、1000g以上の低出生体重児の管理ができる病院です。 一方、婦人科疾患は、総合病院のメリットを活かし、他科の協力のもと、重症例、合併症をもった方の手術、また悪性腫瘍に対しては手術だけでなく、放射線治療や、抗がん剤治療など集学的治療を行います。良性腫瘍は、近年は開腹手術より、腹腔鏡手術の割合が増加してきています。卵巣の良性腫瘍は、最近では90%以上腹腔鏡下に低侵襲手術が可能です。開腹手術に比べて傷が小さく、合併症が少なく、術後の回復も早いため、入院日数も短く早期の社会復帰が可能です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 165 2.00 2.76 0.00 75.75 白内障
02006xxx97xxxx 眼の良性腫瘍 手術あり - - 3.37 - -
020210xx97x0xx 網膜血管閉塞症 その他の手術あり 手術・処置等2 なし - - 6.94 - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし - - 3.07 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり - - 3.22 - - 翼状片
当院眼科における手術のほとんどが水晶体再建術いわゆる白内障手術です。 足腰の悪いなど全身状態により入院希望、という方に対応できるよう1泊2日入院で手術を行っています。 他院からの紹介患者さんは、退院後数回は当院外来に通院していただいたのちに紹介元に戻ってもらっています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 212 4.03 4.95 0.47 69.48 アブレーション
アブレーション
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 108 2.69 4.44 0.93 73.22
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 106 12.52 17.23 0.94 81.64
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 61 8.48 10.56 4.92 76.08 ジェネレーター交換
ペースメーカー植え込み術
050070xx9900xx 頻脈性不整脈 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 54 2.50 7.09 0.00 73.44
当院心臓内科では、心臓や血管といった循環器系の疾患に対しては、救急疾患も含めてほぼすてべての病態に対応できるような体制をとっております。 昨今、高齢患者さんが増加するに従い、心不全による入院患者さんが増加しております。集中治療が必要な一刻を争う状態の方から、病態が進行して終末期に近い方まで様々ですが、当院では、機械的な補助を要するような重症心不全の方への治療はもちろんのこと、普段のより良い生活復帰に向けての心臓リハビリテーションや生活環境の整備についてもチームで精力的に行っております。 心不全の原因となるのは、狭心症や心筋梗塞といった動脈硬化を原因とした冠動脈の狭窄や閉塞をきたす疾患や、心房細動を中心とした不整脈、更には心臓の弁が年齢とともに硬くなる大動脈弁狭窄症といった弁膜症、などです。当院では、従来から冠動脈の狭窄や閉塞に対するカテーテル治療を年間300例程度行っておりましたが、2020年は新型コロナウィルス感染流行の影響も受け、予定の手術は減少致しました。また、昨今非常に増加している心房細動という不整脈に対してのカテーテルを用いたアブレーション治療はニーズも高く、前年と同様に200例以上行ない、早期にきめ細かい治療を行う事によって根治率を上げられるように努めています。更には、2018年より大動脈弁狭窄に対してのカテーテル治療(TAVI)も府下で3番目の施設として開始し、2020年には21例施行しました。より重症の方でも対応ができるよう、今後も心臓血管外科を含めて他の科や職種と連携したチーム医療により取り組んでまいります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 16 12.38 11.04 6.25 53.19
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり - - 14.01 - - 透析導入
060300xx99x01x 肝硬変(胆汁性肝硬変を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり - - 18.75 - -
110260xx99x0xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 なし - - 20.56 - -
050130xx9900xx 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 17.23 - -
慢性糸球体腎炎をはじめ、ネフローゼ症候群、血管炎などの比較的稀な疾患の診断・加療(腎生検やステロイド、免疫抑制薬による治療など)を行っております。また、腎不全については軽症から透析導入直前の末期腎不全までの幅広い患者様の診療にあたっています。当院では患者様のご負担を考慮し、外来でも治療可能なご病状はなるべく外来で治療を完結させる努力もしています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 357 2.16 2.66 0.00 67.11 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 9.24 9.53 0.00 71.86 ERCP ESTあり
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 38 6.84 8.11 0.00 74.53
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 21 11.48 12.33 0.00 69.57
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 16 10.31 10.70 0.00 77.56
消化器内科の入院患者さんで一番多かったのは大腸ポリープでした。肛門から挿入した内視鏡を使って、ポリープを切除します。一般的には2cm以下で良性のポリープを対象にします。 次いで多かったのは胆石疾患でした。いわゆる胆石には、胆のう結石と胆管結石があります。どちらも炎症を起こすと腹痛、発熱をきたします。特に胆管結石は胆汁の流出障害や胆管炎を発症して、血圧低下などのショック状態を来すことがあるので、早期の治療が必要です。具体的には、口から内視鏡を挿入して胆汁を排泄する処置を行ったり、結石の除去を行います。 第3位は早期胃癌の内視鏡的治療です。口からの内視鏡を用いて、粘膜全体を切開、剥離して、胃癌を一括して摘出することができます。粘膜内にとどまっていれば、手術をしないで、完治できます。早期胃癌では症状は全くありませんので、早期発見のために胃癌検診を受けることをお勧めします。 それ以外には、膵臓癌、肝臓癌、胆管癌でした。膵臓癌や胆管癌では、特殊な内視鏡を使用して細胞検査を行います。胆汁流出障害から黄疸をきたすことがあり、その際には内視鏡による治療が必要です。肝臓癌は、早期であれば針を刺して焼灼し、内科的に根治できる場合もあります(ラジオ波)。進行した癌に対しても、カテーテル治療で長期に安定させることができます。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 53 5.09 4.86 0.00 67.94 成人鼠径ヘルニア
成人鼠径ヘルニア
成人鼠径ヘルニアTAPP
成人鼠径ヘルニアTAPP
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 6.29 7.23 0.00 65.98 胆嚢摘出手術
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 37 16.86 16.19 0.00 72.08
060170xx02xxxx 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 17 7.59 8.17 0.00 67.59
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 15 4.60 5.44 0.00 38.93 急性虫垂炎
当院の年間手術件数(2019年1月~12月)は、胆嚢摘出術:73例、胃切除術:24例、結腸切除術:61例、直腸切除術・切断術:14例でした。(表は、国により決められたDPCの分類での患者数になっていますので、臓器ごとの手術件数をみるには正しいデータではありません。たとえば、胆石で胆嚢摘出手術を受けた患者さんは、上記DPCコード060335xx02000x以外に、060335xx0100xxなどの分類にも含まれます。) 当院では、腹腔鏡手術によって傷を小さくし術後の疼痛を小さくすることで、回復ができるだけスムーズに進むよう心がけています。その結果、当院の腹腔鏡手術の割合は、胆嚢100%、胃91.7%、大腸93.3%と非常に高くなっていますが、傷を小さくすること以上に、なによりも安全性を確保することが重要であると考えています。強い炎症癒着などで腹腔鏡操作が難しい場合には、無理をせず開腹手術を行っています。
乳腺甲状腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 37 5.14 10.30 0.00 61.30
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 26 4.04 6.02 0.00 55.12
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.13 - -
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 20.47 - -
040050xx99x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし - - 14.12 - -
乳腺外科における手術は乳癌に対するものが大半を占めます。乳癌の手術方法は、精査結果に基づいて決定しますが、いくつかの治療選択肢があればご本人の希望を確認し決定します。手術は手術前日に入院の上、全身麻酔で行い、術後は2~3日間の入院期間で行ないます。
乳癌診療はの手術以外にも、抗癌剤治療、ホルモン治療、放射線治療を行ないますが、基本的には外来通院で行ないます。 その他、良性疾患でも手術が必要な場合があります。手術範囲に合わせて局所麻酔で行なう場合から全身麻酔で行なう場合があり、全身麻酔で行なう場合は入院治療となります。 20年度は新型コロナウイルス感染流行が始まり、診療への影響もありましたが、癌は身体への影響がおおきい疾患の一つでこの状況下においても今まで通りの診療を行えるよう対応致しました。
緩和ケア科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx97x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 39 2.18 12.33 0.00 76.74
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 25 22.48 8.65 0.00 75.76
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 23 14.13 13.30 0.00 73.17
110050xx99x0xx 後腹膜疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 12 24.83 11.27 0.00 74.67
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 11.24 - -
緩和ケア内科で扱う疾患はあらゆる悪性腫瘍です。症状緩和が必要な患者さんの診療をおこなっています。 ここに出ているデータは一般病棟へ症状悪化のため緊急入院された患者さんが中心です。その後緩和ケア病棟へ移動されるかたがほとんどです。DPC統計には含まれない緩和ケア病棟への入院を含めると、年間入院診療患者はのべ200名程度です。
今年は膵臓がんのかたが多かったようです。表の中で肝・肝内胆管の悪性腫瘍とは、大部分が続発性です。つまり、他のがんが肝臓に転移したものです。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 47 - - 11 - - 1 8
大腸癌 25 26 26 11 - 1 8
乳癌 24 19 - - 1 8
肺癌 30 - 19 31 - 18 1 8,7
肝癌 - - - - 24 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・胃癌・大腸癌が早期癌の段階でみつかった場合、手術を受けなくても胃カメラや大腸ファイバーで切除ができることがあります。胃カメラや大腸ファイバーによる切除では根治できない場合には、手術を行います。  当院では、できる限り腹腔鏡手術を行い、傷を小さく、痛みを少なくして、術後の回復がスムーズに進むように考えています。癌の治療では、手術で術前にわかっている癌をすべて取りきれた場合でも、のちに再発が起こってくることがあります。早く診断し治療が行えるように外来で定期的に検査をします。特に、手術の時点でステージが進んでいた癌では、手術後再発の率を下げるために“念押しの治療”として抗がん剤治療を行った方がよいことがあります(補助化学療法)。
・肝癌は、多くの場合、慢性肝炎や肝硬変など傷ついた肝臓をベースに発生します。治療法は1.手術、2.ラジオ波焼灼術、3.肝動脈塞栓化学療法、4.全身化学療法、5.肝移植など多岐にわたり、癌の個数・サイズと肝臓の機能を考慮して、患者さんそれぞれの状態で最もよい治療法を選択することになります。治療後も、残った肝臓の別の場所からまた新たに癌が発生することがあり、肝癌は再発の多い病気ですが、小さいうちに発見できれば、再発後もいろいろな方法で治療できる癌でもあります。(情報公開のルールで、表の患者数が10未満の項目は「-」で表すことになっています。
・乳癌のStageは0期からあり、0期は非浸潤癌です。0期からIII期までは治癒(根治)をめざし手術適応があり、0期以外は進行状態に合わせて集学的な全身療法が必要となります。全身治療としては抗癌剤治療、ホルモン治療、分子標的薬治療があり、乳癌の場合、病状の進行状態だけでなく癌のバイオマーカー(組織学的な性質)によって行なう治療が変わります。局所の治療としては手術だけでなく放射線治療も合わせて行なう方がいい場合もあります。
 StageIVや再発は、基本的には全身治療が優先されます。局所の病状に対して、手術は様々な条件がそろった場合にのみ考慮し、放射線治療を選択することもあります。全身治療は病状や全身状態がコントロールできうる限り継続してゆくことになりますので、ご本人の生活環境や価値観なども考慮しながら治療をすすめてゆきます。 20年度は昨年より治療開始時のStageが高い傾向であったことより、新型コロナウイルス感染症流行に伴う病院受診控えの影響かどうかを危惧しています。
・肺癌は早期に症状がでることはほとんどありません。Ⅰ期肺癌の多くは健診や人間ドック、他の疾患の治療中に偶然見つかることが多く、一方で症状に気づいた時にはすでに進行していることがよくあります。また根治手術を行っても再発することが多く、Ⅰ期でも再発する可能性があるのが特徴の一つで、当院では治療後定期的にCTやPET-CTなど精密検査を行っております。治療方針は一般的にⅠ期とⅡ期が手術療法、Ⅲ期とⅣ期は化学療法、放射線治療が選択されます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 23 16.43 79.78
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎は、院内肺炎と医療・介護関連肺炎を除いた一般の社会生活を営む人に発症した肺炎です。
重症度は、年齢、呼吸状態、循環動態、意識状態などから決定されます。重症の肺炎は、高齢者で多く見られますが、若年者でも基礎疾患、起因菌により重症化することがあり、早期の対応が重要です。
当院では中等症~重症が多く、人口の高齢化に伴い今後も増加する疾患です。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科 呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 12 1 8.58 0 71.00 胸腔鏡下肺切除術
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) - - - - - 胸腔鏡下肺切除術
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) - - - - - 自然気胸
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 - - - - -
胸腔鏡で行う悪性腫瘍手術は肺癌に対する手術で切除する範囲により肺葉切除、区域切除、部分切除に分けられます。その選択は原発性か転移性か、病巣の場所、肺癌の進行度、患者さんの耐術能などにより決定します。胸腔鏡下悪性腫瘍手術は通常手術の前日に入院しますので手術の前後併せて入院期間は約10日間となります。 肺嚢胞手術は自然気胸に対して行う手術です。自然気胸の多くは緊急入院になり、入院後手術をするかどうかを決めますので手術前の期間が若干長くなります。手術後は5日程度で退院することができます。             
小児科 新生児内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 18 0.00 17.72 0.00 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
新生児仮死蘇生術は手術ではありません。新生児仮死で生まれた赤ちゃんに人工呼吸や心臓マッサージを行うことをまとめた処置です。生まれたときに10点満点でアプガースコアをつけます。4~7点が仮死第1度、3点以下が仮死第2度です。死という字が入っていますが、心臓が止まっているわけではなく、1度より2度が重症です。心臓も止まっている場合は0点です。 産科医師・助産師ほかスタッフは新生児仮死にならないよう日々努力していますが、新生児仮死状態で生まれてしまった赤ちゃんには直ちに救急処置をしております。年齢の高い妊婦さん、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症といった合併症をもつ妊婦さんが増えており、地域周産期センターである当院には多くのご紹介をいただいています。 出生はおめでたいことですが、胎児が生まれてお腹の外の生活をはじめるということはたいへんな変化であり、中にはよくない状態でお生まれになる赤ちゃんもいます。生まれる直前まで元気でも出生時のストレスで仮死状態となるケースもあります。当院では新生児医療に関わる看護師、助産師全員に新生児蘇生法講習会を受講してもらっています。さらにハイリスク出産と帝王切開術には小児科医師が必ず立ち会います。適切な蘇生処置を速やかに行うことで状態回復を試みますが、当院で治療できないほどの最重症症例は大学病院や総合周産期医療センター(京都第一日赤病院)などの2次施設に紹介転院しております。             
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 19 3.84 28.58 0.00 76.21 人工関節置換術
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 17 1.59 19.76 0.00 70.65 頚椎椎弓形成
腰椎ヘルニア・椎弓形成
腰椎後方椎体固定(TLIF)
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 11 1.36 22.45 0.00 62.82 椎間板摘出術
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) - - - - - 頚椎椎弓形成
腰椎ヘルニア・椎弓形成
腰椎後方椎体固定(TLIF)
2020年度はコロナ禍の影響で手術を自粛していた時期もあり、当科での総手術件数は昨年度より大幅減少の174件でした。 診断群分類別で最も多いのは、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、脊髄症に対して固定術などを行う脊椎手術です。次に多いのは膝や股の変形性関節症に対して行う人工関節手術です。さらに、骨粗鬆症性の脊椎圧迫骨折や大腿骨近位部骨折に対する手術、保存治療も行っています。早期手術、早期離床、早期退院を目標としていますが、個々の患者様の病状に応じた加療を行っています。
整形外科全体の手術内訳は、脊椎手術60件、人工関節手術30件、関節鏡下手術が15件、骨折手術が26件、その他手術が43件でした。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 36 3.31 22.47 8.33 71.72 開心術(CABG・弁膜症)
K5606 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(分枝血管の再建)) 17 2.12 14.76 0.00 72.18 AAA
K5603ニ 大動脈瘤切除術(上行・弓部同時)(その他) 15 1.27 36.67 6.67 75.73 AAA
K5552 弁置換術(2弁) - - - - - 開心術(CABG・弁膜症)
K5541 弁形成術(1弁) - - - - - 開心術(CABG・弁膜症)
 単独冠動脈バイパス術は、全例、人工心肺を使用しない心拍動下バイパス(off-pump)術で行っております。84%の症例で、長期予後を改善するとされる両側内胸動脈グラフトを使用しました。  胸部大動脈瘤や大動脈解離のために、開胸による胸部大動脈人工血管置換術を受けられる患者さんは、高齢化社会を反映し、平均年齢75.7歳でした。  腹部大動脈瘤に対しては、長期的にみるとステントグラフト内挿術後に大動脈瘤が拡大することがあり、若年の方には開腹手術をお勧めしており、開腹人工血管置換術は17例、腹部大動脈ステントグラフト内挿術は9例でした。  最近増加している大動脈弁狭窄症に対しては、超高齢であったり、肺疾患などを合併されておられる方には、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)を選択し、また、高齢でも全身状態の良好な方や若年の方には、開胸での大動脈弁置換術を選択しており、患者さんの状態に応じて最も適したと考えられる手術を行っております。僧帽弁閉鎖不全症に対しては僧帽弁形成術を行っております。COVID-19の影響があり、待機できる患者さんには待機していただいたため、一部弁膜症の手術数は、2019年より減少しました。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮付属器腫瘍摘出術(両側)2.腹腔 等 44 1.07 4.14 0.00 40.98 腹腔鏡下卵巣手術
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 36 1.00 5.00 0.00 48.03 腹腔鏡下子宮摘出手術
K877 子宮全摘術 21 1.00 7.00 0.00 55.57 子宮全摘術
K867 子宮頸部(腟部)切除術 19 1.00 2.00 0.00 36.05 子宮頸部(腟部)切除術
K879 子宮悪性腫瘍手術 14 1.00 7.36 0.00 65.93 子宮悪性腫瘍手術
当院は京都府周産期地区基幹病院であり、NICUもあるため、双胎妊娠や、早産、低出生体重の予想の方の分娩もうけいれています。最近は高齢妊娠、合併症をもった方の割合がふえており、手術件数としては、帝王切開が最多で、約160件の手術数です。 その次は婦人科疾患(子宮筋腫など)による、子宮全摘術が最も頻度の高い手術です。良性疾患では腹腔鏡手術が主流となっており、子宮全摘も腹腔鏡手術のほうが多くなっています。卵巣腫瘍は、良性の場合は当院では約90%が腹腔鏡下手術で行います。腹腔鏡手術が困難な巨大な腫瘍や、悪性の疑いがあるとき、また大きな合併症があったり、高齢で、長時間手術が困難な場合は、開腹手術のほうが、安全に行えます。腹腔鏡手術は傷が小さく、術後の痛みや合併症が少ないというメリットがあり、手術後の早期退院が可能で、社会復帰までの時間が短縮できます。子宮がんは検診により早期発見が可能となり、前がん状態の異型上皮では局所の部分切除(円錐切除術)で治療が可能です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術1.眼内レンズ挿入する 164 0.00 1.00 0.00 75.81 白内障1泊2日
K2191 眼瞼下垂症手術1.眼瞼拳筋前転 - - - - -
K224 翼状片手術(弁移植を要す) - - - - - 翼状片手術
K225-2 結膜腫瘍摘出術 - - - - -
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない) - - - - -
当院眼科における手術のほとんどが水晶体再建術いわゆる白内障手術です。
足腰の悪いなど全身状態により入院希望、という方に対応できるよう1泊2日入院で手術を行っています。
他院からの紹介患者さんは、退院後数回は当院外来に通院していただいたのちに紹介元に戻ってもらっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 194 1.18 2.30 0.52 69.86 アブレーション
アブレーション関連
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 122 1.73 1.94 4.10 73.56 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 78 0.82 3.74 6.41 75.86
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 39 2.31 6.92 2.56 77.44 ペースメーカー移植術
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 29 0.07 6.34 0.00 75.17 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
当科では、心臓の栄養血管である冠動脈のカテーテル治療を年間300例程度行っております。全体の2 割程度はステント留置を伴うものであり、また、全体の3割程度は急性心筋梗塞や不安定狭心症といったより急を要する状態での治療であります。それぞれの患者さんの状態に応じて何時でも対応できるような体制を整えています。 不整脈の患者さんは年々増加し、昨年は不整脈に対するカテーテル治療(心筋焼灼術;アブレーション治療)も200件を数えました。脳梗塞や心不全の原因となる心房細動という不整脈は加齢とともに増加する不整脈ですが、早期に適正な治療を行って根治率が上がるように努めています。 次いで多いのが心臓ではなく足や腕の血管に対するカテーテル治療です。動脈硬化の危険因子をお持ちの方は四肢の血管にも狭窄や閉塞を生じることも多く、一定以上歩くと足が痛くなるといった症状の原因になります。血管の病変を拡張することで症状を治療することができ、更には運動量を増やすことができるようになることで再発の予防に対する取り組みをしっかりと行っていただけるようになります。 更に、4番目がペースメーカーの植込み手術です。洞不全症候群や房室ブロックという脈が遅くなる病態に対するペースメーカー植込み術の他、重症心不全の方に対する両心室ペースメーカーや除細動器の植込みにも対応しております。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 49 0.80 1.02 0.00 72.06
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(1の実施後3月以内に実施) - - - - -
K610-3 内シャント設置術 - - - - -
K5481 経皮的冠動脈形成術(高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテル) - - - - - 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) - - - - - 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
当科では主にバスキュラー・アクセス(内シャント)に対する血管内治療(PTA)を担当しております。シャント機能低下に対するPTAだけでなく、シャント瘤拡大防止やシャント静脈高血圧症に対するPTAも積極的に行っております。難易度の高い手技が必要な場合は心臓内科と連携して治療を行っております。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 317 0.05 1.08 0.00 67.44 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 38 0.16 1.29 0.00 64.97 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 等 37 0.16 5.62 0.00 74.22 胃ESD
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 23 0.04 5.96 0.00 69.35
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 22 1.32 9.45 0.00 65.59
消化器内科の手術、処置のうち件数の多いのは、いずれも内視鏡的治療です。1位、2位は大腸ポリープの切除で、大きさで区別していますが、実際には同じ手術、処置です。大腸内にできたポリープを肛門から挿入した内視鏡を用いて摘出します。
次いで多いのは、早期の胃癌、大腸癌の内視鏡的治療です。粘膜内でとどまっていれば、内視鏡を用いて、粘膜全体を切開、剥離して、癌を一括して摘出し、完治させることができます。大腸ポリープや早期胃癌、早期大腸癌ができていても症状は全くありません。ほとんどが健診で発見されたものです。このような段階で発見できれば内視鏡で治療できます。1年に1回は胃透視、胃カメラ、便潜血などの定期検査を受けることをお勧めします。
これらの治療以外にも、膵臓癌や胆管癌などで胆汁の流れが悪くなった場合に、口から入れる特別の内視鏡を使って「ステント」という金属パイプのような器具を留置する手技も行っています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 50 0.88 4.82 0.00 64.68 胆嚢摘出手術
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 36 1.22 3.14 0.00 67.89 成人鼠径ヘルニアTAPP前日
成人鼠径ヘルニアTAPP当日
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 36 3.06 12.08 0.00 71.69 結腸癌
K6335 鼠径ヘルニア手術 17 0.18 3.35 0.00 68.06 成人鼠径ヘルニア 前日入院
成人鼠径ヘルニア
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 15 0.67 2.93 0.00 38.93 急性虫垂炎
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹腔鏡手術の中でも最初に行われたもので、日本でも30年近い歴史があり、安定した術式です。傷が小さく痛みが少ないので、術後3日程度で無理なく退院できます。しかし、胆嚢炎がひどい場合には、周囲の臓器や胆管・動脈など強い炎症癒着をおこしており、腹腔鏡手術にこだわっていると危険なことがあります。安全に手術を終えることが第一に重要ですので、そのような場合には開腹手術を行います。当院では、早くから鼠径ヘルニアの治療にも腹腔鏡手術を取り入れてきました。特に左右、両方にヘルニアがある場合、腹腔鏡手術では、傷の数を増やすこと無く、両側の治療を終えることができます。一方、従来のやり方(前方アプローチあるいは鼠径切開法といいます)には、全身麻酔をかけることなく腰椎麻酔で手術ができるメリットがありますので、肺や心臓に重い病気があり全身麻酔がかけられない場合でも治療が可能になることがあります。
乳腺外科
                                         
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳房切除3(腋窩部郭清無) 等 27 1.00 3.63 0.00 63.81 乳癌根治術(ドレーンあり)
K4762 乳房部分切除2(腋窩部郭清無) 等 26 1.00 2.04 0.00 55.12 乳癌根治術(ドレーンあり)
乳房部分切除・リンパ節センチネル生検
K4765 乳房切除5(郭清有/胸筋切除無) 等 - - - - - 乳癌根治術(ドレーンあり)
K4764 乳房部分切除4(腋窩部郭清有) 等 - - - - - 乳癌根治術(ドレーンあり)
乳房部分切除・リンパ節センチネル生検
K4742 乳腺腫瘍摘出術2.長径5cm以上 等 - - - - -
乳癌の手術は術前に乳癌の広がりの状態をできうる限り把握した上でご本人の希望も確認し、術式(切除範囲)を決定しています。病状によっては手術前に全身薬物療法を行う場合もあり、治療効果に合わせて手術方法を決定します。また、腋窩リンパ節の評価はリンパ節転移を認めない症例はセンチネルリンパ節生検術を施行し、組織学的にも転移がないかどうか確認します。リンパ節転移を認めていた症例は腋窩リンパ節郭清術を行ないます。
乳房切除術を行なう場合、乳房再建を検討できます。乳房切除と同時期に再建をする方法と、術後創部が落ち着いてから行なう方法があります。また、再建方法もご自身の体の一部を使って行なう自家再建や人工乳房を使用する再建方法までいろいろな方法があります。
腋窩リンパ節郭清症例が前年より多かった傾向があり、これは治療開始時のStageが高い傾向であったこととなり、新型コロナウイルス感染症流行に伴う病院受診控えの影響かどうかを危惧しています。
緩和ケア内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 33 0.00 1.00 0.00 76.94
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 - - - - -
緩和ケア内科で処置が必要な症例はあまりありませんが、点滴をおこなうためのカテーテル埋め込み手術があります。
腹水濾過濃縮再静注法が可能ですが患者数は多くありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 78 2.01
異なる - -
本指標は、播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について、患者数と発生数を示したものです。
これらの4つの疾患群は、臨床上ゼロにはなり得ないものですが、医療の質の改善に資するため、少しでも改善するべきものとして定義されています。
手術・処置等の合併症の内訳としては、人工血管トラブル(狭窄・閉塞など)件、術後出血件、術後感染症件、その他件となっております。
更新履歴
2021/9/30 令和2年度 三菱京都病院 病院指標を公開