平成27年度 三菱京都 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 387 47 88 163 314 427 992 1644 894 140
平成27年度に退院した5,096人の年齢分布(10歳刻み)です。
幅広い年齢層の患者さんに、「高度で、あたたかい医療を提供」しています。
とりわけ60~80歳台が多く、高齢化社会の現状が当院の退院患者さんの年齢層にも反映しています。
また、当院は周産期医療にも力を入れており、新生児を専門に担当する「新生児科」があります。
そのため、0~9歳の年齢層が多いのも特徴です。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx03xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的消化管止血術等 定義副傷病 なし 76 2.22 2.76 0 61.99 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 43 11.51 14.34 6.98 76.14
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2 なし 40 6.2 9.2 0 70.25 胃ESD
胃ポリペクトミー
消化器内科の患者さんで多いのは、いずれも内視鏡的治療です。1位は大腸ポリープの切除です。
これは、大腸内にできた良性のポリープを肛門から挿入した内視鏡を用いて摘出する治療です。
次いで多いのは、3位の早期胃がんの内視鏡的治療です。粘膜の浅い部分までの浸潤でとどまっていれば、
口からの内視鏡を用いて、粘膜全体を切開、剥離して、胃がんを一括して摘出することができます。
大腸ポリープや早期胃がんができていても症状は全くありません。ほとんどが健診で発見されたものです。
このような段階で発見できれば内視鏡で治療できます。入院日数も大腸ポリープなら約2日、
胃癌の治療でも約6日で済みます。1年に1回は胃透視、胃カメラ、便潜血などの定期検査を受ける
ことをお勧めします。
また、抗生剤の進歩により、肺炎は外来診療で治癒することが多くなりました。
しかし、入院での加療が必要な重症の肺炎もあり、特に高齢者の入院が多くなっています。発熱、
咳嗽・喀痰、倦怠感などが続く場合は受診をお勧めします。
呼吸器内科 呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99100x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 64 1.98 3.29 0 72.59 気管支鏡検査
040040xx97x0xx 肺の悪性腫瘍 手術あり 手術・処置等2 なし 44 11.02 13.03 2.27 69.41 胸腔鏡下肺切除術
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 35 14.66 14.34 2.86 71.46
肺の悪性腫瘍に含まれる疾患は主に原発性肺がんと転移性肺がん(他の部位のがんが肺に転移したもの)です。
中段の44人の患者さんの内訳は原発性肺がんが38名で転移性肺がんが6名でした。ほとんどが胸腔鏡を用いて
肺切除術が行われておりますので在院日数が全国平均より短くなっていると考えます。 呼吸器内科の入院は、肺がんの入院が最も多く、進行肺がんに対する放射線療法と化学療法あるいはそれらの 併用のための入院が2週間以上となる場合が多くなっています。この統計の中には、気管支鏡目的の1泊2日の クリニカルパス入院も含まれています。肺炎の入院は、COPDなどの基礎疾患を有する肺炎や、誤嚥性肺炎が多く、 そのため、平均年齢が高くなっており、重症例が多く在院日数も長くなります。それ以外、大部分の市中肺炎は、 外来治療で対処可能です。そのほか、睡眠時無呼吸の精査のためのポリソムノグラフィー検査の1泊2日のパス入院が 年間30例ほどあります。気管支喘息発作のパス入院が以前は年間30例以上ありましたが、最近は、重症喘息に対する 抗体製剤の使用が当院では150例超に達しており、ほとんど外来で治療が可能です。
小児科 新生児内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 133 5.56 6.17 0.75 0
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 43 12.51 11.59 2.33 0
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(15歳未満) 手術・処置等2 なし 41 5 5.72 2.44 2.51
当院小児科新生児科は、新生児特定集中治療室を設置しており、妊娠期間短縮(早産)、低出産体重(低出生体重)
を中心とした新生児入院の割合が多くなっています。出生直後から必要に応じて24時間病棟担当医師が対応できる
体制にあり、院内各部門の協力を得ながら、適切な診療とできるだけ早期の母児同室をこころがけています。
また、本院では新生児入院受け入れは在胎週数28週以上かつ出生時体重1,000g以上とさせていただいており、外科的
対応や一部の特殊な治療を必要とするお子さま以外の新生児について、積極的に受け入れ加療させていただいています。
また一般小児科領域では、肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎の入院が最も多くなっています。他の疾患も含め、
抗生剤の選択など、適切な治療方針の選択をこころがけ、できるだけ早期の退院をめざしています。かかりつけ医を
お持ちの患者さんはかかりつけ医とよく連携させていただき、退院後のフォローにつなげています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 19 30.58 28.7 57.89 82.11
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 12 5.83 5.7 0 51.42 上肢手術伝達麻酔(1泊2日)
上肢手術伝達麻酔(2泊3日)
07040xxx01xx0x 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む)人工関節再置換術 副傷病なし 8 39.0 24.95 0 68.9 人工膝関節置換術
当科では平成27年度約240件の手術をおこないました。
診断群分類別で最も多いのは、高齢者の大腿骨骨折の患者さんで、転倒に際して救急でお受けすることが多くなっています。
合併症を有することが多く、集学的医療による早期手術を心がけています。術後は、リハビリテーションに時間がかかることも多いため、
地域連携パスでの回復期リハビリテーション病院への転院をお願いすることもありますが、概ね予後は良好となっています。
次に多いのは上肢の骨折で、肘から先の外傷による骨折の治療となります。創傷からの出血が治まれば、外来通院で経過を
みています。また、股関節症に対する人工関節手術も行っていますが、入院に関しては全国平均より長くなっています。
これは循環器・糖尿病合併患者さんが多く、術前内服薬の調整や血糖コントロールを必要とし、リハビリテーションも健康な
患者さんよりは時間を要する患者さんが多いためです。入院期間は短いに超したことはありませんが、筋力を回復し、跛行を
改善することを目標をしているため、時間がかかっているのは許容しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 27 24 25.69 3.7 73.15 開心術(CABG・弁膜症)
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 1,2あり 手術・処置等2 1あり 25 21.64 28.59 4 70.48 開心術(CABG・弁膜症)
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 3.09 9.71 0 70.5 シャント(AVF)造設術
上記のDPCコーディングの数字は当科診療患者さんのごく一部です。心臓弁膜症関連手術40例以上、狭心症や心筋梗塞
に対する冠動脈関連手術40例以上、胸部大動脈瘤や解離性大動脈瘤(急性解離に対する緊急手術を含む)20例以上など、
平成27年には心臓または胸部大動脈手術を計130例以上施行しました。腹部大動脈瘤や下肢動脈閉塞など末梢血管への手術、
低侵襲のステントグラフト治療を含めると260例以上の手術件数です。
弁膜症手術は大動脈弁疾患に対する人工弁置換、僧帽弁疾患のうち逆流症には弁形成術を第一選択とし、狭窄症には
弁置換術をおこなっています。感染性心内膜炎、人工弁機能不全など緊急を要する病態に対しても対応し良好な成績です。
狭心症に対する冠動脈バイパス手術は、個々の疾患の状態、年齢や全身臓器機能などに応じて人工心肺を使用する手術と、
使用せずに心拍動下におこなう手術を使い分けています。心拍動下の手術は単独冠動脈バイパス手術の4~5割に施行しています。
カテーテル治療後の再狭窄・残存病変を有する方、急性冠症候群など緊急を要する方にも対応しています。心臓内科と
冠動脈造影結果を手術前後に詳細に検討し、手術+カテーテル治療のハイブリッド治療、万一手術結果に不十分なところが
あればカテーテルによる追加治療をおこない、安心できる状態で退院してもらえるようにしています。腎疾患に対する手術は、
血液透析のためのブラッドアクセス造設や、院内・他院からのブラッドアクセストラブル症例への対応手術です。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 43 6.14 6.5 0 39.98 腹腔鏡下卵巣手術
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 36 8.89 10.18 0 45.03
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 21 7.14 6.34 0 43.67
当院産婦人科は産科に関しては、京都市西地区の周産期基幹病院であり、年間約600例の分娩数があります。
またNICU6床を有するため、母体合併症、早産、低出生体重児の管理ができる病院です。
一方、婦人科疾患(良性、悪性腫瘍)も以前から多数の手術をおこなっています。総合病院のメリットである、
他科の協力のもと、重症例、合併症をもった方の手術、また悪性腫瘍なども、抗がん剤治療、放射線治療など
集学的治療がおこなえる病院です。最近は当科でも、開腹手術より、腹腔鏡手術の割合が増加してきています。
卵巣の良性腫瘍は、最近では90%以上腹腔鏡下に低侵襲手術が可能です。入院日数も短く、術後の回復も早いです。
子宮筋腫などの良性腫瘍も大きなもの、悪性の疑いのある例、癒着や、合併症をもった方の手術は開腹手術の方が
より安全にできます。開腹手術は腹腔鏡手術に比べると、入院期間は長くなりますが、クリニカルパスを用いて、
誰もが、普遍的な治療ができ、短期間で回復し、退院できるように努めています。
大きな筋腫もホルモン治療で縮小できれば、腹腔鏡手術ができることも多く、また、子宮内膜症などの卵巣病変が
ある時は、腹腔鏡手術がより適応になります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160250xx97xxxx 眼損傷 その他の手術あり - - 4.8 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
眼科手術の98%以上が白内障手術ですが、上記分類対象外であり表には示されていません。
平成27年は年間252件の白内障手術をおこないました。
眼科の入院は、ほぼ白内障手術目的の入院となり1泊2日でおこなっております。
その他の手術としては、異物除去や翼状片切除術などをおこなうことがあります。
その他の網膜硝子体手術などが必要な場合には近隣高次医療機関や京都大学病院へ
ご紹介させていただいております。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100100xx99x0xx 糖尿病足病変 手術なし 手術・処置等2 なし - - 22.85 - -
050180xx99xxxx 静脈・リンパ管疾患 手術なし - - 14.76 - -
- - - - - - -
当院では、糖尿病性腎症の透析患者が比較的多いという特徴を受け、糖尿病性足病変を有する患者が多いです。
動脈の血流障害や潰瘍部の感染により、足病変が急激に悪化した場合に入院治療をおこなう場合があります。
血流を改善させるための薬剤や抗生剤の点滴をおこないながら、心臓内科や整形外科と連携し、カテーテル治療や
足趾切断など、症例に適する治療をおこなっています。
また、静脈・リンパ管うっ滞にともなう下腿潰瘍も比較的多いですが、下肢のうっ滞軽減のみで潰瘍が治癒する
場合もあるため、うっ滞軽減目的に入院治療をおこなう場合があります。入院中には、退院後に下肢浮腫を悪化させない
ための対策を検討し、患者教育もおこなうようにしています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99130x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 164 3.07 5.95 0 71.23 心臓カテーテル1泊2日 心臓カテーテル2泊3日
050050xx0203xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 3あり 130 3.56 11.27 0.77 70.43 心臓カテーテル1泊2日
心臓カテーテル2泊3日
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 89 3.34 4.87 2.25 71.26
当院心臓内科で最も多い症例は、狭心症などに対する心臓カテーテル検査およびカテーテルを用いた治療
(冠動脈のバルーン拡張術やステント留置術)での入院です。狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療は、
主に手首の動脈からカテーテルを挿入しておこなっており、なるべく体への負担を小さくするようにしています。
これにより入院期間は非常に短くなっていることがわかります。また、同時に運動負荷RI検査を入院時に
同時におこなうことも多く、心臓の血流に応じて治療の必要性を決定するようにしており、不必要な治療を
極力減らすようにしています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xxxxxxxx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 21 14.33 15.35 9.52 59.29 糖尿病教育入院7泊8日火
糖尿病教育入院7泊8日水
糖尿病教育入院7泊8日木
100060xxxxxxxx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) - - 14.3 - -
100335xx99x00x 代謝障害(その他) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 11.93 - -
糖尿病患者数はまだまだ増加の一途です。とりわけ増加が著しいのが2型糖尿病で早期の教育および治療が
将来の合併症の進展に影響を及ぼします。高血糖が初めてみつかり他院から紹介されてくる症例や自覚
症状で受診する症例、健診などで指摘されてくる症例などが含まれます。早期の治療開始と合併症の評価、
治療が将来に大きな影響を及ぼします。疾患に対する正しい知識を勉強していただき、自己管理を促し、
それぞれの患者さんに適切な治療法を選択して治療にあたります。合併症は血管を主体に全身に現れますが
当院では心臓内科、心臓外科、眼科、腎臓内科、一般内科、消化器内科、整形外科、皮膚科、口腔外科などと
緊密な連携を行い管理をおこなっています。
平成28年度より新たに7泊8日の教育入院のプログラムを用意して、平成27年の入院期間より約1週間短縮し、濃厚な
教育入院を目指しています。また合併症治療で入院となった患者さんには術前術後に糖尿病教育入院を
受けていただきます。他疾患入院中の糖尿病合併の患者さんも入院中の糖尿病教室参加が可能となりました。
1型糖尿病は急激に発症するタイプや緩徐に発生するタイプがありますが、コントロールが難しく、生活指導
やインスリン注射手技など教育入院の中でマスターしていただきます。ケトアシドーシス症例にも対応します。
いずれの場合も糖尿病学会認定の療養指導士の資格を持つ看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床検査技師
そして専門医がチームを組んで治療に当たります。
内分泌代謝性疾患として甲状腺疾患、副腎疾患、下垂体疾患、脂質異常症、高尿酸血症の診療も行っています。
重症例については京都大学糖尿病内分泌栄養内科と連携して治療にあたります。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
180040xx02x0xx 手術・処置等の合併症 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 21 2.05 3.4 0 73.05
110280xx99010x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 16 12.56 15.39 0 73.13 透析導入
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 15.07 13.64 0 52.07
当院腎臓内科は慢性腎臓病(さまざまな病因、病気で腎機能が低下する状態)を、一貫して診療しています。
分けても、多くの外来維持血液透析患者さんの診療をおこなっているのは当科の特徴といえます。
多くの総合病院では透析は導入のみがおこなわれることが一般的ですが、当院では透析の導入だけではなく、
その後の維持透析管理も積極的におこなっています。
したがって、入院の理由で一番頻度が高くなるのは、透析用動静脈瘻(内シャント)のトラブルです。
維持透析を受けておられる患者さんの内シャントの血栓除去や狭窄した血管を拡げる治療をカテーテル的
に行っています。血液透析を続けるうえで、内シャント管理は大変重要です。普段から内シャントの状態を
よく評価し、シャントトラブルは可能な限り予定治療としますが、急性閉塞などの場合はもちろん緊急に対応します。
当院心臓内科の全面的協力の下に実施しています。
次に、入院頻度が高くなるのは、当院の、あるいは他施設の透析患者さんが肺炎などの感染症をはじめ、病気を
併発された場合の治療入院です。あるいは新規に透析を導入するケースなども含まれます。さらにその次は、
慢性腎炎や糖尿病性腎症など、慢性的に腎機能が低下していく多くの疾患の診断・治療目的の入院となっています。
当腎臓内科が慢性腎臓病を初期から末期まで一貫して診療していることが入院状況に反映されています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 66 6.7 7.84 3.03 60.95 胆嚢摘出手術
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 22 17.09 17.41 0 73.73 結腸癌狭窄
大腸切除術(上行結腸~S状結腸)
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 22 17.27 16.02 0 69.91
表は、DPCの分類での患者数になっていますので、臓器別の手術件数をみるには正確なデータではありません
(同じ悪性腫瘍の手術を受けていても他のDPC分類に入っている患者数があります)。
当院の年間手術件数(平成27年1月〜12月)は、胆嚢摘出術:99例、胃切除術:37例、結腸切除術:42例、
直腸切除術・切断術:25例でした。当院では、腹腔鏡手術によって傷を小さくし、できるだけ術後のリハビリが早く進む
ように心がけています。その結果、腹腔鏡手術の割合は、胆嚢94.9%、胃89.1%、大腸85.1%と非常に高率ですが、
傷を小さくすること以上に重要なのは、安全性の確保です。強い炎症癒着などで腹腔鏡操作が難しい場合には、無理を
せず開腹手術をおこなっています。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 34 17.32 15 5.88 73
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 22 10.82 10.55 0 74.18
040040xx9908xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 8あり 15 5.53 11.62 0 52.87
腫瘍内科は悪性腫瘍(がん)の化学療法(抗がん剤治療)をおこなう科です。最近は治療を入院でおこなうことは
少なくなりましたが、一部の薬剤を使う治療では入院でおこなうことがあり、その代表が肺の悪性腫瘍です。
それでも入院は点滴に要する日数だけにしているので全国平均よりかなり短くなっています。
当科では治療のほとんどを外来でおこなっているため、化学療法目的の入院患者さんの割合は少なくなっています。
悪性腫瘍をわずらう患者さんは体調を崩しやすく、治療のために入院されることがありますが、特に肺がんの場合は
肺炎、転移性肝腫瘍の場合には胆管炎や黄疸が原因で入院されるケースが多いと考えます。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 24 4 6.79 0 59.13 乳癌根治術(ドレーンあり)
乳癌根治術(前日入院)
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 単純乳房切除術(乳腺全摘術)等 手術・処置等2 なし 17 4.29 10.37 0 63.53 乳癌根治術(ドレーンあり)
乳癌根治術(前日入院)
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2 なし - - 11.63 - - 乳癌根治術(ドレーンあり)
乳癌根治術(前日入院)
乳腺外科における上記手術は全て全身麻酔下で施行しています。安全に手術をおこなうために
前日に入院していただき、麻酔科の診察を受けていただきます。また手術前日には、
病変の位置を再確認するため乳腺超音波検査を行い、センチネルリンパ節生検の適応がある
場合はセンチネルリンパ節の検出に必要な検査を受けていただくなど、手術の準備をおこないます。
術後の入院期間は、乳房部分切除術の場合は入院期間は2日間ですが、乳房切除術の場合は
ドレーンを挿入留置するため3日間としています。腋窩リンパ節に対する術式による入院期間の
変化はありません。
緩和ケア内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx99x00x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 10.55 - -
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 15 - -
06007xxx99x00x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 10.1 - -
緩和ケア内科では、悪性腫瘍と診断され、症状緩和が必要な患者さんの診療をおこなっています。
あらゆる悪性腫瘍の患者さんを対象としており、他院からの紹介が60%、自院からの紹介が40%程度です。
さまざまな疾患が含まれるため各疾患の患者数は少なくなっています。転移性肝腫瘍が多いのは、
胃がんや大腸がんの転移再発の患者さんの数が多いからと考えます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 62 - - 20 - - 1 7,6
大腸癌 17 17 24 - - 14 1 7,6
乳癌 21 14 - - 1 7
肺癌 56 - 21 55 56 1 7
肝癌 - - 10 - 62 1 7,6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
・胃がん・大腸がんは、早期がんの段階で診断できた場合、手術を受けなくても胃カメラや大腸ファイバーで切除が
できることがあります。しかし、根治できない場合には手術をおこないます。当院では、できる限り腹腔鏡手術をおこない、
傷を小さく、痛みを少なくして、術後のリハビリが早く進むように考えています。がんの治療では、手術で術前に
わかっているがんをすべて取りきれた場合でも、のちのち再発が起こってくることがあります。早く診断し治療が
行えるように外来で定期的に検査をします。特に、手術の時点でステージが進んでいたがんでは、手術後再発の率を
下げるために“念押しの治療”として抗がん剤治療をおこなった方がよいことがあります(補助化学療法)。

・乳がんでは、Stage 0期(非浸潤性乳管がんまたは非浸潤性小葉がん)12例を含むと、0期~Ⅱ期の割合が高くなっています、
StageⅢまでは手術と放射線治療および薬物療法を組み合わせて集学的な治療により治癒を目指します。抗がん剤治療
の適応がある場合は、腫瘍が縮小することで乳房切除を要する範囲が縮小することを期待して術前に抗癌剤治療を
おこなうことが多く、また抗がん剤の治療効果も判定しています。また、乳がん再発は他院から紹介の症例も含まれます。
局所再発の場合は手術も考慮しますが、基本的に再発乳がんの治療はホルモン剤や抗がん剤、分子標的治療薬といった
薬物療法となります。病態や乳がんのタイプはもちろん、体の状態や年齢、生活や希望により、治療方針を相談して
決定しています。

・肺がんは他のがんと大きく異なるのはⅠ期とⅣ期がほぼ同数であることです。肺がんは早期に症状を来すことが少なく、
Ⅰ期肺がんの多くは健診や人間ドック、他の疾患の治療中に偶然見つかることが多く、症状に気づいた時には
すでに進行しており発見が遅れることが多いためと考えます。また再発が多いことも特徴の一つで、当院では
治療後定期的にCTやPET-CTなど精密検査をおこなっております。治療方針は一般的にⅠ期とⅡ期が手術療法、Ⅲ期と
Ⅳ期は化学療法、放射線治療が選択されます。

・肝がんは、多くの場合、慢性肝炎や肝硬変など傷ついた肝臓をベースに発生します。治療法は、1.手術、2.ラジオ波焼灼術、
3.肝動脈塞栓化学療法、4.全身化学療法、5.肝移植など多岐にわたり、がんの個数・サイズと肝臓の機能を考慮して、
患者さんそれぞれの状態で最もよい治療法を選択することになります。治療後も、残った肝臓の別の場所からまた新たに
がんが発生することがあり、肝がんは再発の多い病気ですが、小さいうちに発見できれば、再発後もいろいろな方法で治療
できる癌でもあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
重症度 0 14 8.86 57.93
重症度 1 24 8.58 76.08
重症度 2 27 12.85 79.19
重症度 3 27 16.7 80.15
重症度 4 - - -
重症度 5 - - -
不明 - - -
市中肺炎は、院内肺炎と医療・介護関連肺炎を除いた一般の社会生活を営む人に発症した肺炎です。
重症度は、年齢、呼吸状態、循環動態、意識状態などから決定されます。重症の肺炎は、高齢者で
多くみられますが、若年者でも基礎疾患、起因菌により重症化することがあり、早期の対応が重要です。
当院では、「中等症」の症例が最も多く、全体の過半数を占めています。人口の高齢化に伴い、今後も
増加する疾患です。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 - - - -
その他 - - - -
I679 脳血管疾患,詳細不明 3日以内 - - - -
その他 - - - -
脳梗塞に関しては、超急性期-急性期は、原則、近隣の脳外科・神経内科の専門施設をご紹介しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位3位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 265 0.22 1.04 0 65.76 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
K721-21 内視的大腸ポリープ切除術(長径2cm未満) 69 0.26 1.12 0 63.49 大腸ポリペク1泊2日
大腸ポリペク2泊3日
K6532 EF-胃十二指腸切除2.粘膜下層剥離 40 0.08 5.13 0 70 胃ESD
消化器内科の手術、処置のうち件数が多いのは、いずれも内視鏡的治療です。
1位、2位は大腸ポリープの切除で、1位が結腸(盲腸、直腸以外)、2位が盲腸および直腸のものと
便宜上区別していますが、実際には同じ手術、処置です。
これは、大腸内にできた良性のポリープを肛門から挿入した内視鏡を用いて摘出する治療です。
次いで多いのは、早期胃がんの内視鏡的治療です。粘膜の浅い部分までの浸潤でとどまっていれば、
口からの内視鏡を用いて、粘膜全体を切開、剥離して、胃がんを一括して摘出することができます。
大腸ポリープや早期胃がんができていても症状は全くありません。
ほとんどが健診で発見されたものです。このような段階で発見できれば内視鏡で治療できます。
1年に1回は胃透視、胃カメラ、便潜血などの定期検査を受けることをお勧めします。
呼吸器内科 呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術3.肺葉切除又は1肺葉を超える 26 1.19 8.85 0 69.92 胸腔鏡下肺切除術
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 13 3.15 5 0 31.69
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 10 1.2 7.3 0 70.8 胸腔鏡下肺切除術
上段の胸腔鏡下悪性腫瘍手術は主に原発性肺がんに行われる術式です。通常手術の前日に入院しますので
手術の前後あわせて入院期間は10日間となります。
中段の肺嚢胞手術というのは自然気胸に対する術式です。自然気胸とは何らかの原因で肺に穴があき
肺がしぼんでしまう疾患です。
多くは緊急入院になり、入院後手術をするかどうかを決めますので手術前の期間が若干長くなります。
しかし手術後は5日程度で退院することができます。
下段の胸腔鏡下悪性腫瘍手術は部分切除で病巣が切除されたもので、主に転移性肺がんでおこないます。
上段の肺葉切除に比べ術後入院期間は短くなり、入院期間は平均9.5日です。
このように前述の肺悪性腫瘍全体(開胸術と胸腔鏡手術の合計)の平均入院期間が11日であるのに対し、
胸腔鏡手術は10日以内ですので胸腔鏡手術は患者さんへの負担がより少ないと言えます。
小児科 新生児内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術1.仮死第1度のもの 30 0 15.37 13.33 0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) - - - - -
K1001 多指症手術1.軟部形成のみのもの - - - - -
小児科入院中に行われる処置で手術としてあつかわれるものには、仮死状態で出生した新生児に対する
蘇生術があります。また、軽症の外科的疾患(多指症など)は院内の外科系各科で対応していただき、
手術加療していただくことがあります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 15 3.73 32.27 0 70.67 人工膝関節置換術
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 15 2 24.13 33.33 79.2
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 等 13 3.08 12.46 0 54.92 全身麻酔上肢手術
当科では平成27年度約240件の手術をおこないました。
主要手術別で最も多いのは、下肢への人工関節置換術をおこなった患者さんです。入院に関しては全国平均より長くなっています。
これは循環器・糖尿病合併患者さんが多く、術前内服薬の調整や血糖コントロールを必要とし、リハビリテーションも健康な
患者さんよりは時間を要する患者さんが多いためです。
入院期間は短いに超したことはありませんが、筋力を回復し、跛行を改善することを目標をしているため、時間がかかっている
のは許容しています。次に多いのは、高齢者の大腿骨骨折の患者さんで、転倒に際して救急でお受けすることが多くなっています。
合併症を有することが多く、集学的医療による早期手術を心がけています。術後は、リハビリテーションに時間がかかることも多いため、
地域連携パスでの回復期リハビリテーション病院への転院をお願いすることもありますが、概ね予後は良好となっています。
次に多いのは肩関節近傍の骨折で、鎖骨から上腕骨の外傷による骨折の治療となります。創傷からの出血が治まれば、
外来通院で経過をみています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 24 6.21 18.08 12.5 71.17 開心術(CABG・弁膜症)
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 24 5.17 18.21 12.5 70.75 開心術(CABG・弁膜症)
K610-3 内シャント設置術 24 0.79 1.42 0 71.17 シャント(AVF)造設術
シャント(人工血管)造設術
“診断群別”の欄に記載したとおり、DPCコーディング上の数字は当科の診療内容のごく一部です。手術件数は
そちらの欄を参考にしてください。この欄での転院率が高いのは、手術目的に紹介元の病院から転入院された方が
治療終了後にリハビリテーション目的に紹介元の病院へ帰られる事例が多いことを反映しています。
周辺の循環器内科の施設と密接に連携して治療をおこなっています。
狭心症に対する冠動脈バイパス手術は、個々の疾患の状態、年齢や全身臓器機能などに応じて人工心肺を使用する、
手術と使用せずに心拍動下におこなう手術の両方をおこなっています。心拍動下の手術は単独冠動脈バイパス手術の4~5割です。
カテーテル治療後の再狭窄・残存病変を有する方、急性冠症候群など緊急を要する方にも対応しています。心臓内科と
冠動脈造影結果を手術前後に詳細に検討し、手術+カテーテル治療のハイブリッド治療、万一手術結果に不十分な
ところがあればカテーテルによる追加治療をおこなっています。
腎疾患に対する手術は、血液透析のためのブラッドアクセス造設や、院内・他院からのブラッドアクセストラブル症例
への対応手術です。腎臓内科、心臓内科と協議し、最適な治療法を選択、実施しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 43 1.05 7 0 51.21 婦人科良性経腹手術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 38 0.97 4.11 0 39.18 腹腔鏡下卵巣手術
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 36 1 5.08 0 45.47 腹腔鏡下子宮摘出手術
当院は京都西地区の周産期基幹病院であり、年間約600例の分娩を受けております。NICUもあるため、
他院よりご紹介いただき、合併症のある方や、早産、低出生体重の予想の方の分娩も受け入れています。
最近の高齢化妊娠、合併症をもった方の割合が増えており、手術件数としては、帝王切開が最多で、
約160件の手術数です。その次は婦人科疾患(子宮筋腫など)による、子宮全摘術が最も頻度の高い手術です。
子宮筋腫などの良性疾患のほかに、悪性の疑いや、大きな合併症があったり、高齢で、長時間手術がむずかしい
方は、開腹手術の方が、安全におこなえます。、最近は、当科でも腹腔鏡手術の割合が増加しています。
腟から回収が困難な大きな筋腫は開腹手術となりますが、大きな筋腫もホルモン治療で縮小できれば、
腹腔鏡下手術が可能になります。また、近年増加している異型上皮は前がん状態であり、早期発見できれば
腹腔鏡下の低侵襲手術で摘出できます。卵巣腫瘍は、良性の場合は当院では約90%が腹腔鏡下手術で行える
ようになりました。表には載っておりませんが、子宮、卵巣の悪性腫瘍手術も数多くおこない、また術後の抗がん剤
治療、放射線治療なども当院ですべておこなえます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 236 0.04 1.77 0 75.64 PEA+IOL片眼
PEA+IOL1st+2nd
K274 前房、虹彩内異物除去術 - - - - -
K2822 水晶体再建術2.眼内レンズを挿入しない場合 - - - - -
眼科ではほとんどの手術が水晶体再建術いわゆる白内障手術をおこなっています。
平成27年は252件の白内障手術をおこないました。
通常は眼内レンズを挿入する場合がほとんどですが、ごく稀に高度近視などで
眼内レンズ挿入を必要としない症例があります。
足腰の悪い方など全身状態により入院希望の方にも対応できるよう1泊2日入院で
手術をおこなっています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 195 1.69 1.88 1.54 70.29 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 79 1.42 5.95 3.8 76.13
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 37 0.08 8.32 10.81 71.14 心臓カテ-テル1泊2日
心臓カテ-テル2泊3日
当科では、心臓の栄養血管である冠動脈のカテーテル治療を年間300~350例程度おこなっております。
これは、動脈硬化がもとで閉塞したり狭くなったりしている部位を風船で拡げたり、さらにはステントという
金属のメッシュ状の筒を血管内に留置したりして血管を拡げる治療です。
全体の8割程度はステント留置をともなうものであり、また、全体の3割程度は急性心筋梗塞や不安定
狭心症といった、より急を要する状態での治療であります。
それぞれの患者さんの状態に応じて何時でも対応できるような体制を整えています。
手術件数の2位は、心臓ではなく足や腕の血管に対するカテーテル治療です。動脈硬化の危険因子を
おもちの方は四肢の血管にも狭窄や閉塞を生じることも多く、一定以上歩くと足が痛くなるといった
症状の原因になります。血管の病変を拡張することで症状を治療することができ、さらには運動量を
増やすことができるようになることで再発の予防にもつながります。
糖尿病内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 - - - - - シャント(AVF)造設術
シャント(人工血管)造設術
- - - - - - -
- - - - - - -
糖尿病の合併症に糖尿病性腎症があります。末期には腎不全に至り、尿量が極端に減少し、
血液中に老廃物が溜まるため全身性の浮腫や貧血、電解質異常、血圧上昇、心不全などに至ります。
腎症が進行してくると腎臓内科の診察を受けていただき当科と連携して腎障害の進行を少しでも
抑えるよう食事や生活指導をおこなっています。また心臓や脈管系にも負担がかかるため適時心臓内科や
心臓外科との連携を行い、全身管理をおこなっています。腎不全末期に至ると血液透析が導入されます。
透析導入の際、血液を大量に体外に取り出すために動脈と静脈を直接吻合して静脈に大量の血液が
流れるようにしたのが、シャント術です。通常透析導入必要と判断された際に、内シャント術がおこなわれ、
速やかに透析に移行します。当院では糖尿病内科、腎臓内科、透析科のきめ細やかな連携で安全に
透析導入がおこなわれています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 58 0.81 1.5 0 72.31
K610-3 内シャント設置術 - - - - - シャント(AVF)造設術
シャント(人工血管)造設術
K607-3 上腕動脈表在化法 - - - - -
多くの外来維持透析患者さんの診療をおこなっている当腎臓内科において実施される手術的治療では、入院理由と同じで
血液透析用動静脈瘻(内シャント)に対するカテーテル的治療の頻度が最も高くなっています。
カテーテル的な治療だけでは内シャントの状態を改善できなかった場合、あるいは、新規に透析導入をする場合などには、
内シャント設置術(手首あたりなどで、血管を小さい穴で縫い合わせて動脈から静脈へ血液が流れるようにする手術)が
必要になります。慢性腎臓病の管理を続けているなかで、末期状態になってこられた場合には適切なタイミングで腎代替療法
に移行することが必要です。血液透析を治療法として選択された方に、この内シャント設置術を受けていただくことになります。
時々、内シャントが患者さんによっては心臓の負担になることがあります。そのような場合には、腕の動脈を穿刺しやすい
ように皮膚に近いところまで持ち上げるような手術をする場合があります。これが動脈表在化法です。患者さんの状態により
必要なときのみおこないます。
内シャントのカテーテル治療、外科手術、ともに当院心臓内科、心臓血管外科の全面的な協力の下、実施しています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 90 1.83 4.7 3.33 61.38 胆嚢摘出手術
K6335 ヘルニア手術5.鼠径ヘルニア 48 0.9 2.54 0 63.98 成人鼠径ヘルニア
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 45 1.02 2.64 2.22 67.71 成人鼠径ヘルニアTAPP前日
成人鼠径ヘルニアTAPP当日
腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹腔鏡手術の中でも最初におこなわれたもので、日本でも25年以上の歴史があり、
安定した術式です。傷が小さく痛みが少ないので、術後3日程度で無理なく退院できます。しかし、
胆嚢炎がひどい場合には、周囲の臓器や胆管・動脈などど強い炎症癒着をおこしており、腹腔鏡手術に
こだわっていると危険なことがありますので、患者さんの状態にあわせて開腹手術を選択する場合もあります。
当院では、比較的早くから鼠径ヘルニアの治療にも腹腔鏡手術を取り入れてきました。特に左右、両方に
ヘルニアがある場合、腹腔鏡手術では、傷の数を増やすことなく、両側の治療を終えることができます。
一方、従来のやり方(前方アプローチといいます)には、全身麻酔をかけることなく腰椎麻酔で手術ができる
メリットがありますので、肺や心臓に病気がある場合にもより安心です。
腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 25 1.72 4.2 0 67.2
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
腫瘍内科でおこなう化学療法(抗がん剤治療)には注射するための埋め込み型カテーテルを手術で
設置することがあり、1泊2日の入院でおこないます。
ほとんどの患者さんはすぐに退院して外来で治療をおこないますが、そのまま入院でおこなう場合もあります。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 24 1 2 0 59.13 乳癌根治術(前日入院)
乳癌根治術(ドレーンあり)
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 15 1 2.07 0 64.67 乳癌根治術(前日入院)
乳癌根治術(ドレーンあり)
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴う))を含む)) - - - - -
乳腺外科における上記手術は全て全身麻酔下で施行しています。安全に手術をおこなうために前日に入院していただき、
麻酔科の診察を受けていただきます。また手術前日には、病変の位置を再確認するため乳腺超音波検査をおこない、
センチネルリンパ節生検の適応がある場合はセンチネルリンパ節の検出に必要な検査を受けていただくなど、
手術の準備をおこないます。
術後の入院期間は、乳房部分切除術の場合は入院期間は2日間ですが、乳房切除術の場合はドレーンを挿入留置
するため、3日間としています。腋窩リンパ節に対する術式による入院期間の変化はありません。
緩和ケア内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K651 内視鏡的胃、十二指腸ステント留置術 - - - - -
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
- - - - - - -
緩和ケア内科で処置が必要な症例は極めて限られますが、閉塞した消化管に対するステント治療や、
点滴をおこなうためのカテーテル埋め込み手術があげられています。いずれも患者数は1名です。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 15 0.29
異なる 18 0.35
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 50 0.98
異なる 16 0.31
この指標は、医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなり得ないものの少しでも改善すべきものとして
定義される、播種性血管内凝固、敗血症、その他の真菌症、手術・術後の合併症について患者数と発生率を
示したものです。
手術・処置等の合併症の内訳は、シャント、人工血管のトラブル(狭窄・閉塞・瘤化・静脈高血圧など)29件、
術(内視鏡治療)後出血 7件、術後感染症 7件などです。
更新履歴
2016/9/30
平成27年度 三菱京都病院 病院指標を公開