緩和ケア病棟を知る

受付予約専門ダイヤル

075-381-7811

予約電話受付時間
開院日 8:30〜16:30
※翌日以降の診療予約は14:00以降にお願いします。

診療のご予約はこちら診療のご予約はこちら
人間ドック/リハビリテーションのご予約はこちら人間ドック/リハビリテーションのご予約はこちら

予約以外のお問い合せ

075-381-2111(代表)

  • 外来担当表

TEL

お問合せ

MENU

背景色

文字サイズ

疾病説明一覧へ

ひまわり編集部が聞く!Interview

静かに進む慢性腎臓病

2021.11.01
静かに進む慢性腎臓病

近年、慢性腎臓病は増加しているといわれています。
その原因や生活習慣との関連、予防、さらに治療についてひまわり編集部が聞きました。

 

腎臓はどのような働きをしているのですか?

腎臓は主に体内の水分や老廃物を尿として体外へ出すことで、体内の水分・ミネラルバランスの調節、尿毒素の排泄をおこなっています。その他にも血圧を調整したり、造血ホルモンを作ったり、骨を丈夫にするビタミンDの活性化を担うなど多くの働きがあります。

慢性腎臓病とはどのような症状があるのですか?

まず、腎臓の働きと、その働きが損なわれた場合に起こる症状について見てみましょう。
しかし腎臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるものの一つであり、かなり悪くならないとはっきりと症状が出ないことが多いです。腎機能が30%ほどに低下して初めて軽いむくみに気づく方も少なくありません。10%くらいになっても自分では症状が分からない方もいます。
また、慢性腎臓病の患者さんは心臓や血管の病気になりやすいことが明らかになっており、そのために健康寿命を損ないかねないという大きな問題があります。

慢性腎臓病が増えてきている原因は生活習慣にあるのですか?

その通りです。生活習慣の欧米化にともなって、糖尿病・高血圧・肥満症などの生活習慣病が増えてきていることが一因です。また高齢化・長寿化が進んでいることも原因と考えられます。
ただし、多くの場合は1-2年の生活習慣の乱れが直ちに病気を引き起こすことはありません。生活習慣の乱れが10-30年といった長期間にわたって続くことで生活習慣病や慢性腎臓病を発症し、ひどい場合は末期の臓器障害までに至ります。








慢性腎臓病にならない予防方法を教えてください。

もっとも大切なのは生活習慣の改善です。肥満になりすぎないよう食べ過ぎに注意し、適度な運動を心がけましょう。塩分を控えめにした食事も大切です。たばこを吸っている人は禁煙に努めてください。
また、自覚症状がないことが多いので、健康診断を定期的に受けて高血圧、糖尿病、尿蛋白のチェックをしておきましょう。放っておくと腎臓病になるリスクは高くなります。

特に、毎日の食事で気を付けることはありますか?

塩分・糖質・脂質の取り過ぎ、尿酸値の上昇に注意していただく必要があります。いずれも動脈硬化を促進し、腎機能障害を進行させるといわれています。また、食べ過ぎには注意してください。いくら塩分・糖分・脂質を控えた食事をしてもたくさん食べれば取り過ぎとなります。
当院では栄養指導により腎不全の進行をできる限り遅らせるだけでなく、その先の健康寿命を考えた取り組みをおこなっています。さらに患者さんの利便性を考え、オンラインで栄養指導をおこなう取り組みも考えています。

慢性腎臓病は治療でよくなるのですか?

残念ながら治る疾患と治らない疾患があります。治療法がある疾患を早期に治療できれば根治が期待できます。しかし、その時期(早期)にはまだ症状が出ていない状態であることが多く、ご本人は治療の必要性を感じにくいことが問題です。一方で、長い期間をかけて徐々に腎臓が傷んだ状態になる慢性腎不全については、腎臓の機能を元に戻す治療法は未だに開発されていません。したがって、傷んでしまう前に早期発見・早期治療することが重要になります。
健康診断で引っかかったときは、たとえ検査結果値( Cre(クレアチニン)、GFR,(糸球体濾過量)、検尿異常)が同じでも、個々の病状によって治療の必要性が異なりますので、まずは早めに専門診療科を受診いただきたいと思います。

最後に一言、患者さんにアドバイスをお願いします。

腎臓病はかなり悪くならないと症状が出ないため、自覚症状だけでは気づきにくい疾患です。そして、慢性腎不全になると元の健康な状態に戻すことができません。早期発見・早期治療が大事な疾患ですので、定期的に健康診断を受け、適切な自己管理を実現してください。また、健康
診断で引っかかった際には腎臓内科を受診してください。

一覧を見る

トップへ