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日本人女性の乳がん罹患率は、がんの中で最も多くなっています。9人に1人が乳がんになる時代といわれています。そんな乳がんや検診の重要性についてひまわり編集部がきいてみました!
多久和Dr:そうですね・・・。日本人では、10年ほど前11人に1人だったのですが、今は9人に1人と言われています。
竹内Dr:日本では、現在女性のがん罹患率ではトップとなっています。もともと、欧米に多いと言われていましたが、食生活の欧米化もあり罹患率が上昇傾向にあります。
多久和Dr:遺伝性の場合は予防切除の方法もありますが、一般的には予防ができる方法というのはないと思います。予防はできませんが、乳がんは早期発見ができれば高い生存率となっていますので、定期的に検診を受けて早期発見につなげることが二次予防につながります。
竹内Dr:なかなか、上ってこないんです。行政の検診データで言うと、とくに京都は検診を受ける方が少ないそうです。
多久和Dr:もっと啓蒙活動が必要だと思います。他の先進国の7割を超える検診率に比べると日本の検診率は5割弱とまだまだ低いです。欧米では、検診率が上がってきているので死亡率も減ってきています。
竹内Dr:基本的には、必ずマンモグラフィを受けて頂きます。希望される方には超音波検査もおこないます。マンモグラフィは「痛いのでイヤ」という方が多いのですが、最近では、技師さんの技術でかなり痛みは軽減されていると
聞きます。また、検診の際の体調にも左右されます。ホルモンのバランスによっても痛みの状態もかわります。
多久和Dr:当院での検査はブレストセンター(検査を集約したお部屋)で、女性スタッフによる検査を受けていただけます。
多久和Dr:何か症状のある方は、すぐにでも。何も症状がなくても、40歳以上になれば2年に1回は必ず受けていただきたいです。
多久和Dr:触診でしこりを感じたり、乳頭から血液が混じった赤い液が出てくることがあります。
竹内Dr:乳頭からの分泌はパジャマや下着が赤くぬれていて気がつく方が多いようです。意外と痛みなどは感じる方はいないです。
多久和Dr:乳がんの罹患率は一番多いのですが、他のがんに比べて死亡率は高くはありません。
竹内Dr:非浸潤性のがん※1に関しては、ほぼ完治します。ただ、一度がんになられた方は、またなりやすいということがありますので、こまめな検診が必要です。浸潤性のがん※2の場合は再発のリスクが出てきてしまいます。ただ、Ⅰ期やそれよりも小さいものは再発リスクが低いので、9割以上は再発しない状態まで治すことはできます。そういう意味でも早期発見は重要なとになってきます。
多久和Dr:最近はリスクに併せて幅広く治療法も多岐に渡りたくさんあります。手術、薬、放射線治療などが一般的ですが、早期がんだと切らずに焼く方法もあります。
竹内Dr:乳がんには色々なタイプと状況があるので、しこりなどの状況を調べ、それにあわせてどれだけの治療が必要なのか?必要ないのか?を判断していきます。手術・薬・放射線治療などどのような組み合わせがベストか?を考えて治療します。ご提示された治療をしっかり受けていただくとかなりの確率で再発をなくすことができると思います。
多久和Dr:死亡率は高くないとお話しましたが、もちろんそれには早期発見と専門機関でのしっかりとした治療が必須ではあります。
非浸潤性のがん(※1)
乳管の中にとどまっている乳がんで、転移のリスクが低い
初期の乳がんの一種
浸潤性のがん(※2)
がん細胞が、周辺の組織に浸潤している状態
竹内Dr:乳房に関して気になることがあれば、まずは受診をしてください。何もなくても、検診を受けてください。
多久和Dr:ちがうかも・・・と思わず、まずは受診してください。心配なこと、ご不安なことがあれば、お一人で考えず何でもご相談ください。乳がん検診をうけましょう。